ハッピーロイヤル


正人はガキの頃からダメ人間だったが
周囲の計らいで何とか成長してきた
「正人 あなたみたいなダメ人間は幸せになっちゃダメなんだからね」
「でも 私はあなたを見つけられてとても幸せなの」
美冬は言った
「僕は なんでいつもダメなんだろう?」
正人は尋ねる
「それは あなたが私の運命の人だからよ」
「みんなの運命の人は影がなくてはならないの」
美冬は答える
「あなたの闇は私たちの希望の光なのよ」
「いい あなたは今のままずっとそのままでいてね」
美冬は続ける
「ああ 本当は分かってるんだ僕は でも勇気がない」
正人は言う
「ダメよ正人 勇気なんて捨ててね きっと後悔するから」
美冬は少し苛立ち気味に答える
「本当に分かってるの? あなたが今のままで 皆幸せなんだから」
美冬は念を押す
「あなたは 私の愛しい人 みんなの運命の人だけれど だから影を背負っているのよ」
「だから 僕は分かっているんだってば でも勇気がない」
「だからダメだってば 勇気なんて捨てて 大切に生きてね 約束よ」
そう言うと美冬はロビーから立ち去った

「・・・勇気・・・大切・・・破壊?」

なにやら正人は考え込んでいた
そして正人は美冬の部屋に駆け込む

「美冬 いいか?」
「え?なに?正人」
正人は美冬の口を塞ぐように口づけをする
「あっ・・・ダメ」
「はあん・・・」
正人と美冬はその行為をやり遂げた
「正人・・・ダメなのに・・・終わりよ」
「なぜだ!?」

「ドカーン」
と厨房の方で爆発音がした
人々があわただしく動き回る

「ドドドドドドーン」
色々なところで誘爆しているようだ

「正人 こうなるって分かってたでしょ」
「なぜだ!?」

跡には瓦礫だけが残された
・・・それは私たちの王様との悲しい記憶





解説
プロット

正人はみんなの運命の人で身分も関係のない運命の王子様
美冬は正人の運命の人
正人の不幸はみんなの幸福
正人の生涯童貞が本懐を達成し世界が終わる





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