ショートショート・心のダイヤル119
亜美は今年中学生になった
少しして仲良くなった友人たちと遊んだ時のこと
友人の家でお互いの別々の小学校の卒業アルバムを見せあいっこして
好みの男のタイプを言いあって遊んでいた
・・・この人
亜美は中田翔太の写真を指して
この人かっこいい 笑顔が素敵
と言ったが友人の順子は
あー こいつ アホだよ
と言っていた
家に帰っても亜美は卒業アルバムで見た翔太のことが忘れられない
それからしばらくして別のクラスにいる翔太に亜美は告白しに行こうと決心する
放課後クラスの友人と笑いあっていた翔太に亜美は勇気を出して声をかける
あの 中田君 ちょっといい?
あはは・・・ん?なに?
あ あの 私 卒業アルバム見たんだけれど
ん?
中田君が好きです 私と付き合ってください
翔太はドキッとして周りの友人たちが囃し立てる声や目の前の亜美の姿などがぐるぐる回り
あ ありがとう
とだけ言ってその場を逃げ出してしまった
・・・ありがとう じゃないんだけれど・・・
・・・でも伝えられた
残された亜美は翔太の友人たちに囃し立てられ少し恥ずかしげにその場を去った
それから亜美は翔太にアタックし続けるも翔太はすべて気のない返事
亜美はバレンタインはお返しくれるし翔太に嫌われているでもない感じがするのに
なんで断られるのかずっと分からなかった
友人の順子に相談しても
ホモなんじゃない?
とかよく分からないものだった
告白された翔太はというと
その夜眠れずに告白された嬉しさを噛み締めて
これからどうしようと横になりながら考えていた
・・・亜美さんにOKと言うだろ・・・
で 付き合って ・・・ デートとか ・・・いろいろあって・・・
・・・やっぱり 俺のことだから 絶対に我慢できずに アレ だろ・・・
で そのうち妊娠して ・・・PTAによってたかって囲まれたり・・・
!うわっ やべえ 駄目じゃん どっちにしろ俺ダセエ
・・・スルーしておくか
そんなある日 亜美は心のダイヤル119というサービスに電話をして相談してみた
はい こちら 心のダイヤル119 担当の柴田です ご用件は何でしょうか?
あ あの 私 すごく好きな人がいて その人に嫌われているわけでもないと思うのに
告白しても 良い返事をもらえないんです それで すごく悩んじゃって どうしようもないんです
ああ なるほど そういうケースですか
そのケースですと お相手が 性同一性障害 を患っている可能性がありますね
・・・せ 性同一性 しょう・が・い・?
ようするにホモです 心の病気で 治らないと思うので その人は諦めたほうがいいですよ
・・・私の初恋のあの人は 順子が言ってた通り やっぱり ホモ
だった・・・
・・・さようなら 翔太さん・・・
...Long Goodbye. I can't forget my blue days...
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